読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

『幸せへのキセキ』

今回は『幸せへのキセキ』実話だそうです。
英国人、名前も同じベンジャミン・ミー、『ガーディアン』紙のコラムニストで、実際に荒れた動物園を買って、様々な苦労を重ねて、立ち直らせた、その経緯を書いた著書があり、BBCでドキュメンタリー番組として放送されたということです。
一点映画と異なる点があるようで、ある意味大きな相違点に思えますが、書く必要はないと思います。

f:id:hhroyk:20160417125749j:image

スズメバチ?の大群の只中に飛び込んだり、ハリケーンの中に突っ込む飛行機内でのリポートを敢行したりといった実績で、それなりに名が知られている新聞記者のベンジャミン・ミー。
彼は半年前に最愛の妻を亡くし、そのショックから未だに立ち直れずにいました。
会計士の職にある兄のダンカン・ミーからもしきりに再婚を勧められますが、ベンジャミンは「この街にいるとどうしても亡き妻のことを思い出してしまう」とあまり乗り気になれないでいました。
また、自分と同じく傷心を抱え込んでいる、妻との間に出来た子供である14歳の息子ディランと7歳の娘ロージーにも、どのように接していけば良いのか悩む日々が続いていました。
特にディランは、母親が亡くなって以降は心が荒むばかりで、父親に反抗的で学校でもたびたび問題を起こすようになるありさま。
そんなある日、ベンジャミンは自分の企画をボツにし、お情けレベルの仕事を与えて飼い殺しにしようとする会社の方針と反発し、上司に「会社を辞める」と宣言して会社を飛び出してしまいます。
さらにそれと合わせるかのように、息子ディランもまた、校則違反を重ね続けたことが災いして退学処分に。
生活基盤がボロボロになってしまったベンジャミンは、これを機会に新しい家を購入してそこへ引っ越し、新しい生活を始めることを決意するに至るのでした。
これが初仕事という新米不動産業者の案内の下、ベンジャミンとロージーの2人は候補となる家を物色しにかかるのですが、2人の希望と合致した家はなかなか見つかりません。
とうとう紹介される最後の物件となった家に2人は到着するのですが、そこは敷地面積が他の物件と比べても恐ろしくデカい家でした。
家の状況も決して悪いものではなく、2人はここを気に入りベンジャミンも家を購入する気になったのですが、新米不動産業者はそこで何故か難色を示します。
新米不動産業者にベンジャミンが説明を求めた時、突如獣の咆哮が辺りにこだまします。
そして新米不動産業者は、ここが実は動物園の一部であることをベンジャミンに話すのでした。
ローズムーア動物公園と呼ばれるその動物園は、かつてのオーナーが死んで以降は閉鎖を余儀なくされており、今では元オーナーの遺言と遺産でかろうじて維持されている状況にあるとのこと。
そして、閉鎖された動物園を維持・管理し続けることが、家を購入する際の必須条件であるとされていたのでした。
それまでの人生で動物の管理などとは全く無縁だったこともあり、ベンジャミンも最初は当然のごとく家を買うべきか否か逡巡します。
しかし、ロージーが楽しそうに動物と戯れている光景を見て、子供達のために家を購入することをベンジャミンは決断するのでした。
そして数日後、前の家を引き払って引っ越してきたベンジャミン・ミーの一家は、ローズムーア動物公園で動物達の飼育に当たっていた飼育員達と共に、動物園の再建に乗り出すこととなります。
ベンジャミンの一家を物色していたのは2月であり、役所による動物園の審査が行われるのは6月30日。
この6月30日に審査をパスすれば、7月7日に動物園をオープンさせることができるのです。
しかし動物園の再建には、当然のごとく多くの問題が立ちはだかっていたのでした……。

幸せへのキセキ」というタイトルに若干の違和感を持ちましたが、原著の訳本もこのタイトルで、「動物園を買った家族の物語」という副題がついているようです。

コメディタッチのシーンも多く、笑えるし、久しぶりに、映画を観て今までにない、満たされた気分になりました。
子供にも大人にもお勧めです。
大きな喪失や喪失感を癒す、或いは再生するには、人それぞれどういう道、方法をとるか異なると思いますが、ひさびさに自分自身も頑張ろうと思えた映画でした。